『イソップの思うツボ』は何を伝えたかったのか。
全力でネタバレしています。
これから観る方は絶対に読まないでください。
観てきました!超話題の『イソップの思うツボ』
いや〜。私の周りの人はみんな酷評。
ネットでの評価も具体的に絶賛している人はほとんどいないですね。
ちなみに、私はつまらなかったとは思っておりません。
ただ、非常に後味の悪い作品でした。
人間の嫌な面にばかり焦点を当てているような。
『カメラを止めるな!』の真逆をいっている印象を受けました。
まともな人が全くいない。
家族愛?いやいや。全然伝わって来なかったけど。
まず、衝撃的だったシーンは、早織が両親を撃ってしまい、ハッピーエンドとはほど遠くなってしまったところ。しかし、その後変にまとまっていて、おかしいと思いました。
それでも娘だから。親たちも自分のしたことを反省して最後は結集したのか。
それだといまいちなストーリーだなと。
そこが一番気になっていて、
最初の方から思い出してみると、
早織は、美羽が先生の動画を撮っていた(そこまでではなく、そっちを見ていたくらいの認識かもしれないが)のをみて、美羽は自分のことを好きなのか?と美羽に問いかける。
明らかにおかしいですよね!?
なぜ、そんな発想になるのか。
それは、
- 早織が同性愛者なのか。
- 芸能人だから、自分中心な性格なだけなのか。
- 何かの作戦なのか。
のどれかだと思い、1は先生に恋しているから無いだろうし、だとしたら、2が妥当だけれど、親を撃った後の気持ちがまるで伝わってこなくて、もしかしたら早織はサイコパスなのか。
そして、魔性な魅力で、美羽の心を掴んだのかもしれない。
最初の方は早織は3人組でいて、美羽がお弁当落としたのに助けることもせず、なんかいじめっこっぽい感じしていたし。
美羽のこともなんか観察してて。
そして、何か普通に友達みたいな素振りで話しかける。
だから、早織自身が傷つくことがなく、終わったのかもしれないとも思いました。
親もおかしいし。子供がサイコパスになってもおかしくない。
少なくとも
不倫した親たちが許せない!
とか、
撃たなきゃ自分が殺されるのが怖い
とかで撃ったみたいな、そんな単純な理由ではないと思うんですよね。
あのシーンは、誰かが銃を奪って自分自身を撃つか、美羽または美羽側の誰かを撃つかだと思っていたので、そこは想定外でした。
「撃たせるようなことを私達はしてしまったの。ごめんねー」みたいなことなのか。
私が親の心情をわからないだけかもしれませんが。
それだと早織自身の精神はズタボロになっているはずなんですよね。それで、兎草家の話が終わっているのがストーリーとしてひどい。
また、小柚はあの中じゃわりかし普通っぽく見せているが、戌井親子もかなりひどいことしているし、普通では決してない。応援する気持ちにもなれませんでした。
あと、本当の親子じゃないのに一番絆は強そうだった戌井家。あれも皮肉なのかもしれません。
そして、亀田家は謎が多い。
特に美羽の感情がとにかくわかりにくい!
亀がいくら死んだからって屋上から放り投げるか!?
そして最後生きていたから希望があるのか?
これもサイコパスな演出だよね。
お風呂で先生の動画見ている意味もわからない。
結局それは、兎草家に復讐するためのかなり不気味な笑いだったわけだよね。実際先生は兄だから恋ではなかったし、それしか考えられない。
だけど、早織が美羽の名前を覚えてくれていたから、なんとかというくだりも意味不明だし。人格が崩壊しています。こわいこわいこわい…。
そして、そんな復讐劇を観戦する富裕層たち。
ライアーゲームとか、カイジの世界みたいだわ。
そんな世界もあるのよと。そして、この映画を見ているあなたもそうなのよと。
「あなたも殺人が起きるのを楽しみにしているのでは?」と。
この辺はありがちかなと思いましたが。
『カメラを止めるな!』が素晴らしい家族愛なのに対して、『イソップの思うツボ』は人間の邪悪さだけを浮き彫りにしたんじゃないかと思いました。