映画『スマホを落としただけなのに』 感想

映画『スマホを落としただけなのに』 感想をアウトプットします。

全力でネタバレしていますので、お気をつけください。

スマホの個人情報、セキュリティのこと。今まであまり気にせずにスマホを使っている人には危機感を与えてくれる非常に良い内容だと思います。終わった後に疑問も全くありませんでした。

私は昔、「ハッカーってかっこいいよね!」なんて思っていた人でした。

もう 20 年くらい前、teacup とかジオシティーズ、とかのレンタル掲示板が流行っていた時に良く 1 人で複数のハンドルを使って何役も演じて友達の掲示板に書き込んでいたことがありました。友達も複数人私の掲示板で同じことをしていました。

そして、管理人はそれを IP アドレスで判断してコメントしたり(笑)

人の裏掲示板も URL を予想してアクセスしたり、、、今思うとちょっと犯罪者っぽいですよね。(汗)

でも、今でも、アドレスが単純に年号だったりしていると、新しい記事はもうできたかな?とは勝手に URL 予想してとかはやりたくなりますね。

そんな経緯があったから、なりすましとかいろいろな技が面白い!と思って見ていました。

ストーリーは非常にわかりやすく、オチもほとんど予想できていました。バカリズムさんも濡れ衣を着せられて可哀想にねと。

なりすましもこわいけど、それよりも不確かな情報を受け取った時にその情報に踊らされないこと。
信じるべきことをきちんと信じることが大切だと思いました。

この映画で私が特に印象に残ったことは以下になります。

同じ境遇でも結果が対極な 2 人

冒頭から登場するいかにも怪しい新人の警察官、加賀谷。
彼が黒髪の女性連続殺人の犯人なのかな~?と最初は思ったのですが、黒髪のエピソードが加賀谷本人の視点で流れたときに、ああ、この人は犯人ではないなとわかりました。

犯人は、加賀谷と全く同じように、黒髪の母親に傷つけられたエピソードを持つ IT セキュリティ会社のシステムエンジニアでした。

同じ境遇でも犯罪者になることも、正義のために働くことも自分で決められる。

そんな完全に違った人生を歩んだ対極の 2 人の状態。

ここが私は最も印象に残りました。

傷つけられても母親が好きだった。その気持ちに負けずにトラウマも克服して正義の道へ。

どんどん加賀谷がいい人に思えてきて、最後は泣けました。

パスワードに自分の本当の名前が含まれていた心境について

主人公 稲葉麻美の本当の正体は、本物の稲葉麻美と昔同居していた親友の山本美奈代。本物の稲葉麻美は山本美奈代の名前で勝手に借金をして、人生を滅茶苦茶にしてしまったのです。そのため本物の稲葉麻美は責任を感じて山本美奈代として自殺してしまいます。それから稲葉麻美としてずっと生きてきたことが最後に明らかになります。

親友の借金問題に巻き込まれ、山本美奈代の人生を終えざるを得なくなってしまった麻美。

しかし、どこかで自分の生きてきた証を消したくなかったのではないでしょうか。

自分だけが知る本当の真実。
山本美奈代の存在の証を、自分しかわからないパスワード「asamiminayo」と無意識に残したのではないかと思いました。

それにしても、麻美は何も悪いこともしていないのに、本物の麻美のせいで亡くなったことにしないといけなくなり、災難だと思いました。

そして本物の麻美にきつくあたったことを後悔しているなんて、どれだけお人好しなんだと思いました。

そんな秘密を抱えていたことを恋人には言えなかった。
当たり前ですよね。自分は親友と入れ替わったなんて。犯罪ですし。
ハラハラドキドキしながら人生を送っていた。
そんな心境がすごくすごーくよく分かる北川景子さんの演技が素晴らしかったですね!

かなり素晴らしくできの良い映画だと思いました。もう一度観に行きたいくらいです。

原作も読んでみようと思います。

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