外見もそうですが、環境がもの凄く大事だと思いました。映画『累-かさね-』を見て


先日観に行った映画『累-かさね-』の感想をアウトプット致します。

途中からネタバレします。どこからネタバレになるかはわかるようには書いています。

『累』は朝ドラで人気が急上昇した人気女優の土屋太鳳ちゃんと芳根京子ちゃんの W 主演作品です。

私は朝ドラの『まれ』も『べっぴんさん』も観ており、両方とも好きな女優さんだったので、内容もさることながらとても楽しみにしていました。

ストーリーは大体こんな感じです。

淵累は顔に大きな傷があることで、容姿にコンプレックスを持っている女の子。大女優の母親の血を引いているのか、演技の才能が物凄くある。そしてもう1人の主要人物の舞台女優の丹沢ニナ。彼女は美しい容姿を持っているが、演技の才能が乏しく、伸び悩んでいた。

そんな中、累が母親から受け継いだ、キスするとお互いの顔を入れ替える魔法のリップを使って、中身が淵累の丹沢ニナが大女優として活躍していくという話です。

公式サイト

http://kasane-movie.jp/sp/index.html

ここからネタバレします。

ご注意ください。

感想

外見が内面を左右することが非常に良くわかりました。累は顔に大きな傷があることで、性格も消極的になってしまっている。

対して、累の顔に入れ変わった中身がニナの累は堂々と街中を歩いている。

ただ、それ以上に、累の環境(取り巻く人)が悪すぎたことも、現在の性格を形成する大きな要因になっていたのではないかと思うと気の毒だと思いました。

少し前に観た『アイ・トーニャ』と似ていると思いました。

外見が悪い→蔑まれる、いじめられる→劣等感

という流れを断ち切ることは、余程鋼のメンタルを持っていないと難しいと思います。

累の小学生時代のクラスメイトやお芝居の主役になった子の性格がひどすぎる!!

幾ら何でも今どきこんな歪んだ子は珍しいですよね。

さらに累は親戚にも疎まれて育ち、それが、累を形成したのだろうと思いました。

同じ状態でも、最近観た映画の『ワンダー君と太陽』のクラスメイトは全然違ったし、味方もいて、ある程度敵もいるみたいなのが平均的かなと思いました。

家族にも恵まれて、顔にコンプレックスがあっても周りの環境で、まるで違います。やっぱり環境って凄く大事ですね。

そして後半、累の母親が実はリップを使って相手を拘束して顔を奪っていた事実はもう超ホラー過ぎて!!

楳図かずおの『洗礼』のような恐怖!!(あれは脳を奪う話だけど)

その事実を知り、母親もライバルになったのと同時に大舞台女優 丹沢ニナを作り上げるという使命において、障害となるものは、必然的に排除という感じだったのでしょう。もうこの段階では、劣等感とか、嫉妬とか、羨望みたいなのも飛び越えた執念なのでしょうね。土屋太鳳ちゃんの狂気的な演技が上手すぎました。

最後の母親の幻影を無視して通り過ぎて行くところが衝撃的でしたね。

ニナも外見は良くても演技力や、病気などが障害となり、交代してそれらを全て奪っていく累を見て劣等感を感じているのが辛そうでした。さらに片思いの舞台演出家と累がいい感じになったのが決定的で、やはり恋愛が絡むと尋常じゃなくなりますね。どちらかというと自分は劣等感の傾向でいえば多少ニナ寄りかなと思いました。

累もニナも、「足りないもの」ではなく、「持っているもの」に注力していれば、また違ったのかなと思いました。

しかし、ここまでの劣等感などは、味わったことがないため、累やニナな本当の気持ちはわからないというのが正直な感想ですね。

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