父を思う息子の気持ちに涙が溢れる〜劇場版 ファイナルファンタジーXIV 光のお父さん
コアな部分のネタバレはしていませんが、細かい話は書いてしまっています。予備知識なく、映画を観たい方はお気をつけください。
ストーリー
ストーリーは、突然謎の退職をしたあきおの父。気づけば子供の頃から父親とは会話もなくなっており、父親のことが全くわからなくなっていたあきお。昔一緒にプレイしたことがある、ファイナルファンタジーのオンラインゲームを父にプレゼントし、自分は正体を隠し、ゲームキャラクターとして仲良くなって、父のことを知ろうとする息子のお話です。
感想
感想は、とっても良かったです!
あきおがオンラインの世界を、非常に上手く使いこなしているなぁと思いました。
ゲームには良い側面と悪い側面があると思います。
この映画だと、悪い側面には仕事に支障が出る程度の少ししか触れていなかったけれど、実際にはリアル生活が崩壊したり、いろいろな危険があります。私は20代の時にFF11で人生がくるった人ですが、今ではそれも正しい道で今があるのだと思っています。
いろいろな出来事がなければ今でもオンラインの世界で大半の時間を過ごしていたかもしれません。
毎日毎日ゲームを続けていると、リアル世界に戻ってもまだ音楽が耳に残り、世界観が頭に浮かぶ。キャラクターを作っていると、そのキャラがリアルに出てきたりしてしまいます。それで何となくゲームの世界が中心になり、リアルがオマケみたいになってしまうことがあります。私も以前はそんな感じになっていました。
今では、ゲーム時間は1日0時間!!つまり、完全に卒業しています。
でも、ゲームが悪いのではなく、プレイする人によると思っています。結局はリアルの問題なんですよね。
あきおが成功したのも、リアルをとても大切にしているから。
仕事が忙しい時期はゲームにログインしないし、お父さんがタイタンを倒したいと夜遅くに頼んで来た時も、仕事の状況とお父さんの気持ちをうまくバランスをとって対処している。
大切な人生をゲームに全く明け渡していないからなんですよね。
ゲームだからこそ、リアルで知らない関係だからこそ、素の自分を出せるところもあるし、相談できることもある。仲間になれる。
そんなオンラインの良い部分をうまく引き出していますね。
それと、同僚とも普通にゲームする裏表がないあきお。まっすぐ過ぎて嫌なところがまるでないのもびっくり。そんな主人公が魅力的なところもすごく良かったです。
あと、ストーリーが非常にシンプルなのが良かったですね。メインで登場していた他のパーティーメンバーの2名のリアルには全く触れず、気になる同僚とのこともさらっとで、映画の中心が家族のことのみに絞っていたことが良かったと思います。
同僚も良いキャラクターが揃っていましたね。あきおの先輩役の佐藤隆太がとても良かったです。あきおの仕事の内容にもそこそこ触れて、あきおの仕事に対する意識とか、性格がよくわかりますし、オンラインゲームのキャラクターがリアルな人間なことを良く感じとることが出来ました。
あと良かったのが、あきおの妹のみき。彼女はゲームなどがなくてもきちんと父親に言いたいことを伝えています。最初の方は息子と父が妹を通してしか会話できないのが笑えました。
まだお父さんがゲームを始めた頃でお礼を言う方法がわからずにひたすらあきおのゲームキャラクターの周りをぐるぐる回るシーンとか。
父が娘の彼氏のことで心穏やかでなくなり、ゲームに逃避するなど、ゲームのあるある感が満載でしたね。
冒頭のゲーム内での会話シーンや、ファミコンのFF3の画面や音楽で、今までの個人的な思い出がちょっとフラッシュバックして泣いてしまいましたが、その後は純粋に映画に入り込んで泣くことが出来ました。
ところどころで泣けたり笑えたりの映画。
私的に今年の映画でトップを争う作品だと思いました。